体系的にコンテンツマーケティングを学びたい時のおすすめ本|SEOと広告とインターネッツ      

2014年9月24日水曜日

体系的にコンテンツマーケティングを学びたい時のおすすめ本

コンテンツマーケティングというのはアメリカでは定義もしっかりされ、
KPIから制作、効果測定まである程度システム化が実現されています。

そして成功した際のコストやブランディング、エンゲージメントと言った様々な面でのパフォーマンスがすこぶる良いのも特徴です。

一方ここ日本では何となくふわっとした概念の様に思われていて、
バズワードだと思っている人も少なくありません。
しっかりしたKPIを設定しPDCAを回している人が少ないと言う現状も、
なかなか正しいコンテンツマーケティングへの理解が浸透しない要因の一つでしょう。

そんな状況ですから、コンテンツマーケティングについて興味があるけど、
どうしたら良いかわからないという人は少なくないと思います。

そこでコンテンツマーケティングについて体系的に学び、実践されたい方のために、
最低限押さえておくべき本を中心におすすめ本を書いておきます。

これらの本を読み1年間実践できれば、
コンテンツがもたらす効果の高さを実感できるかと思います。

以下の内容でコンテンツマーケティングを大別しながら、
「良書」かつ「保存版」たりえる書籍を挙げてみます。

  1. 「パーミッションマーケティング」
  2. 「インバウンドマーケティング」
  3. 「コンテンツマーケティング」
  4. 「フリー戦略」


1.「パーミッションマーケティング」

『パーミッションマーケティング』

セス・ゴーディン著。

「パーミッション」とは「同意」「許可」の意味です。
従来型のインタラプション(邪魔をする)広告ではなく、
消費者の同意を得てから売り込むようなマーケティングをすべきという概念です。

具体例としてはインバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングそのままというものがいくつも出てきます。
今読むとそれほど目新しい概念ではないものの、初版が1999年と随分昔から提唱されてきた考え方です。
本書を読むとインバウンドマーケティングの概念と非常に近しい考え方に立脚しており、
恐らくはインバウンドマーケティングの概念の基礎となったであろうことがよくわかります。

インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティング等々を学ぶ前に、
この「パーミッションマーケティング」という概念をまずはインストールしておく事をお勧めします。


2.「インバウンドマーケティング」

「パーミッションマーケティング」は消費者の同意を得るという、
いわばエンゲージメントの向上を促すものでしたが、
その延長線上にあるのがこの「インバウンドマーケティング」。

消費者に見つけて貰い、自ら来て貰う(インバウンド)ためのマーケティング概念です。
対してこちらから発信したい情報を発信する事を「アウトバウンド」と呼んでおり、
これは主に従来型の広告などを指します。
この「インバウンド」「アウトバウンド」の概念は、
「パーミッション」と「インタラプション」の様に対概念となっています。

「インバウンドマーケティング」というタイトルの本は2種類あります。
いずれもこの概念を提唱したHubspot(ハブスポット)という、
最近IPO申請中のアメリカの企業の関係者から出ています。

『パーミッションマーケティング』(ブライアン・ハリガン版)
ブライアン氏はYahoo!役員を経てHubspotの創業を行った人物。
アメリカのマーケティング業界で今最も注目されている人です。
HubspotはIPO申請中ですし、そのビジネスモデルの有用性が改めて注目されています。
こちらの書籍は豊富な事例とともに、「インバウンドマーケティング」を広く解説しています。
概念論だけに終始せず、KPIや効果検証のサイクルまで一通り示されているのは大変助かります。

『パーミッションマーケティング』(高広伯彦さん版)
高広さんは博報堂、電通と広告業界を経てGoogleに渡るという華々しいご経歴をお持ちの方です。
その後Hubspotの商材を日本で扱うエージェンシー「株式会社マーケティングエンジン」の代表をされていました。つい最近退任されましたが。
広告業界では知る人ぞ知るという方で、広告業界の重要な論客でありながら、Twitterで炎上したりと、この業界での存在感が凄いお方です。

こちらの書籍はわかりやすく書かれているものの、実例に乏しい所が難点と言えば難点であります。
ただ全体的に「考え方を伝える」事にフォーカスされているようにも取れ、
どちらかというと読者に自分の頭で考えて貰おうとしているのかな…と思われます。

広告業界の末席にいる私としては、インバウンドマーケティングの考え方は世に広まっているように見えるものの、
まだまだ現場では「あのメディアの枠をいくら分買って…」という広告ありきの議論が優先されているように見受けられます。
そうした中で広告業界の重鎮からインバウンドマーケティングなる概念の提案が出る事は意義として非常に大きいのかなと感じますね。


3.「コンテンツマーケティング」

「インバウンドマーケティング」を素直に実践しようとする人がつまずきがちな事として、
コンテンツって具体的に何をつくればいいの?という事がわからず、悩みあぐねてしまうという事。

コンテンツの王道は情報発信ですが、どうしてもわからない人のために、
「コンテンツマーケティング」と題して有効なコンテンツの作り方を学べるのが以下の2冊。
『エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書』
『~編集者のように考えよう~ コンテンツマーケティング27の極意』

2014年のコンテンツマーケティング関連本では間違いなく王道たる2冊であり、非常によくまとまっています。
コンテンツマーケティングに関してはこの2冊があればしばらく他の本は不要なのではと思えます。


4.「フリー戦略」

コンテンツマーケティングと隣接する考え方として、「フリー戦略」というものがあります。
『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』
こちらはかの有名な「ロングテール」概念を提唱したクリスアンダーソンが2009年に著した一冊。

要はよくある「無料で先に何かを提供する」戦略ですが、意外とたくさんの種類があり、歴史も長く、
商品のプライシングにも深く関わる部分故に素養が無ければ足踏みする領域かと思います。

「フリー戦略」が気になる方にとって本書は体系的に「フリー戦略」の概念を学べる良書です。
ここまでしっかりとまとめられたものは他に無いんじゃなかろうか。

無論コンテンツマーケティングも、情報を無料で先に提供する事から始まる訳で、
その意味においてこの『フリー』は大変参考になる一冊です。
また本書を読めば、コンテンツマーケティングって、別に情報発信だけじゃないんだという事にも気づくはず。


さらに、この「フリー戦略」を音楽業界でかなり昔に成功させている、グレイトフルデッドというアーティストの本もあります。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
実はこちらの著者は、『インバウンドマーケティング』のブライアン・ハリガン氏。

この本、相当売れたのにブックオフ等では滅多に見られませんので、ブックオフ等で探すよりも最初から新品を買った方がいいですよ。
分厚いので小さい書店ではあまり置いてないですし。


以上、いかがでしたでしょうか。
この10倍ぐらい挙げたい本があるのですが、また別の機会に紹介します。

また上のamazonのリンクはアフィリリンクではないのでw、
ぜひ気になったものがあれば読んでみてください。