SEOと広告とインターネッツ      

2014年10月27日月曜日

海外ではペンギン3.0の影響らしきものが出ているかも

オーストラリアではペンギン3.0の影響らしきものが出ているかも

オーストラリアのこちらのSEO会社では、
パンダアップデートより大きい変動があったとの事。

その会社が提供する無料の順位変動監視サービス「Algoroo」では10/25にやや順位が動いております。

なお、同業の日本のnamazは特に変動を示していません。


Googleはペンギンアップデート3.0の適用時期も、
対象となる国もはっきりとは示していないだけにいつ来るか怖いですね。

そして今回のペンギンアップデート予告で思うのは、
一度に多くのサイトの順位が変動するというより、
既に段階的にあちこちで少しずつ順位が変わっている兆しのようなものも感じます。

2014年10月16日木曜日

U2のフリー戦略が失敗か。この2600万ダウンロードが一つの限界点。

超人気ミュージシャンのU2の最新アルバムが丸ごと無料ダウンロードできるキャンペーンが失敗したかもです。


U2がアップルと組み、最新アルバムを無料でダウンロードでるというプロモーションだったのですが、
当然喜んだ人は多かったものの、同時に多くのユーザーから「無料でも勝手にiPhoneに入れるな」といった苦情が来るわ、
バンドメンバーが謝罪コメントを出すわで、
悲喜こもごもといった様相を呈しています。

個人的に気になったのは、
他のアルバムのセールスやライブやファンクラブ加入といった、トータルセールス面への影響でした。

これは書籍で言えばクリス・アンダーソンの『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』や、
ブライアン・ハリガンの『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』で提唱されている戦略をほぼなぞったようなものですが、
それを世界的に大々的にやるような事案はそうそうない訳で、
この戦略の結論を楽しみにしていました。

さてその結果の一部が既に出ており、
この最新アルバムだけで2600万回のダウンロードだったそうです。

これは多いのか少ないのか…
AndroidユーザーとかはYoutubeコンバータ辺りをつかったのでしょうか?

iTunesユーザーは世界で5億人。その約5%がu2の最新アルバムをダウンロードした事になります。
今は既に有料ダウンロードに切り替わってしまっており、
セールスの報告が待たれるところですが、
ライブ動員数やその他セールスへの影響は少なからずあるだろうと、個人的には思います。
だってU2の事を思い出した人、多そうでしたから。完全に自分の周りを見ただけですが。

また今回のアルバム制作費はアップル持ちで、
U2の音楽をアップルのプロモーションのため無料配信する権利をアップルが獲得した…
という背景がありますが、アップルにとっては制作費が丸ごと広告費だったという事です。

世界的に一部のダンスミュージック以外は苦境にさらされる音楽業界ですが、
こうした新しい試みはどんどんやるべきだと思います。

そして、今回のU2とアップルのプロモーションで、
ひとつ大きな教訓がありましたね。

それは、人気アーティストの最新アルバムがたとえ無料であっても、
一方的にiPhoneに入れられれば多くの苦情も同時に受けてしまうという事。

フリー戦略は一種のコンテンツマーケティングともとれる訳ですが、
基本的にコンテンツマーケティングは無料でやるべきものであって、
しかしそのやり方にも限界はあって、今回のU2の件のように、
無料であってもいらない人だっているという事。

今回のU2の2600万ダウンロードというのは、一つの限界だと思います。
この数字を超える事はほとんどのアーティストにとっては不可能です。
つまり、ここが、コンテンツマーケティングやフリー戦略の一つの到達点の限界ともとれる訳です。

今回のU2とアップルのプロモーション戦略、
まだまだはっきりした結論を得るには早尚ですが、
学ぶ事は非常に多かったと思います。




2014年10月6日月曜日

パンダ、ペンギン、HTTPS問題よりスマホ対応を気にしたい

あなたのコンテンツ、「長い」と言われてませんか?

スマホ対応はもう必修科目だと思います。

パンダ、ペンギン、HTTPS問題等々、SEO業界にも対応事項、懸念事項があります。

ありますが、それらは「ウェブサイトの使い勝手、構成等々において最低限」な仕様であり、
普通にユーザーの事を考えてウェブサイトをつくっていけば、ほぼほぼ当たる事の無い問題です。

普通にサイトをつくっていく中で、昔からSEOで変わらず大事なのはコンテンツです。
(SEOに限らずサイト運営で最も大事だと思います)

そんなコンテンツですが、コンテンツはただ盲目的につくれば良いというものでもありません。
スマホが登場したおかげで、スマホのデバイスを通してユーザーにどう見えるかを気にしないといけなくなってきています。
しかも、意外とスマホ未対応サイトが凄く多いのです。

こんな記事が先日あがっていましたのでご紹介。
スマホ時代に「全文読まなきゃ理解できない」コンテンツは失敗する

以下、引用。


読んでくださる読者の方の「読み方」を分類すると大きく三種類です。

  1. 全文を読む
  2. 見出しを中心に斜め読みする
  3. 内容は読まない(タイトルや読者コメントだけを読む)



引用終了。

これはもうその通りで、スマホユーザーの事を考えてコンテンツを作らないといけなくなってきています。
大きな機会損失になっている可能性が高いです。


スマホユーザーの増加が早いです

思った以上にスマホの浸透が早いです。

私もSEOをしているお客様のサイトのほとんどで、
1年前と今ではスマホユーザーからのアクセスがかなり増えています。

どのぐらい増えているかというと、、
一年前スマホユーザーの割合が10%→今月75%、とか。

これは誇張でもなんでもなく、このぐらい増えているサイトが多いのです。
もちろん去年10%→今月20%みたいなサイトも中にはありますが、
いずれも増加傾向にあります。


スマホユーザーは増えれど、スマホ対応は進まず

私はSEOの仕事をしている時に、よく競合サイトをスマホで閲覧しているのですが、
まあ驚くぐらいスマホ対応していないサイトが多いです。

SEOのお客様のサイトも同様で、スマホ対応をすべきですと提案しても、
優先事項はかなり低いようで、広告とか目先の収益化に目を奪われるお客様が多いですね。
まあ担当者レベルでは理解できていても、稟議が通らないとかの問題もありますしね。

結局潤沢な予算がある会社はとっくに対応していますし、
そうでない会社のサイトはいつまでたってもスマホ未対応のままという状況が多いです。

ただ、アクセスの7割がスマホユーザーなのに、PC版の超小さい字のページを見せられても、
そこからCVまで到達するかと言うと難しいですし、
他に使い勝手の良いサイトがあればそちらに流れていってしまいます。
売上に直結する要素もまたスマホへの対応なのです。

しかもスマホユーザーの直帰率や遷移率は、
スマホ対応サイトと未対応サイトでは何倍か違います。
言い換えると、スマホ対応をするだけで結果を大きく出せる可能性があるのです。
というぐらい、スマホ対応をやらない理由がもうない、という所まで来ています。


特に美容系、ECなどはスマホ対応が喫緊の課題

本当はどの業界もすぐにスマホ対応すべきなのですが、
いま特に結果に差が出ているなと思う業界は特に美容系やEC関連です。

美容系とはサプリ、美容グッズ、エステやサロン、クリニック関連などですね。
ECは楽天やAmazonに出店しているサイト以外で、自社サイトで通販事業を行っている所ですね。

このあたりはスマホからのアクセスが非常に多いです。
もう9割越えしているようなサイトも珍しくありません。


サイトリニューアルのタイミングや予算組みの予定が近いサイトは、
いい機会ですのでスマホ完全対応をご検討されてはいかがでしょうか。

という長い長いスマホに対応できてない文章を書いてしまうわけですが^^;

2014年9月30日火曜日

【続報】パンダアップデート4.1でオリジナリティの低いサイトが…

パンダアップデート4.1の気配を全く感じなくて、エアパンダなのかと思っていたら、
Search Engine Landがパンダアップデート4.1の影響を報告していました。

正確にはSEOツール会社、Searchmetrics(サーチメトリクス)の、
パンダアップデート4.1によると思われる流入数の増減ランキングレポートです。
サーチメトリクスのこのレポートは毎度恒例ですね。

詳しくはこのレポートを見ていただくとして、
パンダアップデート4.1で検索順位を大きく落とした(と思われる)サイト(=losers)、
逆に上昇させたサイト(=winners)を多数知ることができます。

私もざっと見てみましたが、なんとなく傾向があるかなぁと。

パンダアップデート4.1の影響を受けたサイトの傾向

他人のサイトなのでどのサイトなのか具体的な言及は避けますが、
losersの方はサイトの健全性(health)に問題があるように感じます。

例えば下層ページのあるディレクトはなぜか違うドメインにリダイレクトしているのに、
そのリダイレクト先が404エラーを連発しているとか、
ページの下半分がほとんど重複しているサイトとか。

あとは他のサイトのデータベースからコンテンツを引用していたりするサイトもありました。

まあほとんどはページ間や他のサイトとの間で重複したコンテンツがあるか、
サイトの健全性に問題があるか、その辺りでしょうかね。

恐らくウェブマスターツールに兆候は出ているかと思いますので、
もしそれがパンダアップデート4.1に捕獲される原因であったのなら、
事前に予防はできたのかなと思います。
まぁ今からでも対策できる範囲だとは思いますが。

以上、普通に手塩にかけてサイトの隅々に気を配った方がいいのだなという感じでした。

2014年9月26日金曜日

【共有】パンダアップデート改良版リリース予定とのこと。

海外SEO情報ブログの鈴木謙一さんが、Twitterでパンダアップデート改良版の情報を共有されています。


元ネタはこちら。今回のパンダアップデートで日本が対象かは不明です。



この投稿への返信に、
「Is this global update?(グローバルなアップデートですか?)」と書かれていますが、
いまのところ返信はありません。

で、パンダより気になるのが、このPierreなる人物。
Pierre Far氏はGoogle UKのWebmaster Trends Analystとのこと。
Googleのリリースを出す人としては聞いたことのないお名前ですが、こちらが彼の職歴です。

2011年にGoogleに入社されてますが、
それまでの経歴がFounderが多く、シリアルアントレプレナーな方ですね。
そういう人もGoogleに入社するんですね。
マットカッツ氏がいない間はPR業も兼ねるのでしょうか。

パンダよりPierre氏が気になっている次第です。笑


追記(2014/9/27):
日本の方で、私が見聞きした範囲に限っては、今の所特に順位が落ちた様子はないです。

追記2(2014/9/30):
どうやらパンダアップデート4.1はオリジナリティと健全性の低いサイトを捕獲したようです。

2014年9月25日木曜日

Forbes JAPAN (フォーブスジャパン) 2014年10月号を購入


遅ればせながら、フォーブスの10月号を買いました。

フォーブスは個人的にはベンチャー通信を世界規模にしたビジネス誌のような内容であり、
ファッションなども含めた経営者、富裕層、投資家向けのトピックスを掲載していてかなり楽しいのです。

今号のハイライトはミュージシャンの資産額についてのページや、
ウォーレンバフェットの哲学、
Web業界人として見逃せないオプト社長インタビューなどです。

それにしてもミュージシャンのトップクラスは稼ぎが違いますね。
大きく成功した人は別のビジネスをやるんですね


バフェットは見やすくよくまとまっていました。


オプト社長のインタビューはまあIR資料などにもかなり載っているものの、
オプト自体が情報発信をそれほどしないため、非常に興味深かったです。


なおこの10月号は8月25日に出たみたいなので、そろそろ11月号が出そうですが…

2014年9月24日水曜日

体系的にコンテンツマーケティングを学びたい時のおすすめ本

コンテンツマーケティングというのはアメリカでは定義もしっかりされ、
KPIから制作、効果測定まである程度システム化が実現されています。

そして成功した際のコストやブランディング、エンゲージメントと言った様々な面でのパフォーマンスがすこぶる良いのも特徴です。

一方ここ日本では何となくふわっとした概念の様に思われていて、
バズワードだと思っている人も少なくありません。
しっかりしたKPIを設定しPDCAを回している人が少ないと言う現状も、
なかなか正しいコンテンツマーケティングへの理解が浸透しない要因の一つでしょう。

そんな状況ですから、コンテンツマーケティングについて興味があるけど、
どうしたら良いかわからないという人は少なくないと思います。

そこでコンテンツマーケティングについて体系的に学び、実践されたい方のために、
最低限押さえておくべき本を中心におすすめ本を書いておきます。

これらの本を読み1年間実践できれば、
コンテンツがもたらす効果の高さを実感できるかと思います。

以下の内容でコンテンツマーケティングを大別しながら、
「良書」かつ「保存版」たりえる書籍を挙げてみます。

  1. 「パーミッションマーケティング」
  2. 「インバウンドマーケティング」
  3. 「コンテンツマーケティング」
  4. 「フリー戦略」


1.「パーミッションマーケティング」

『パーミッションマーケティング』

セス・ゴーディン著。

「パーミッション」とは「同意」「許可」の意味です。
従来型のインタラプション(邪魔をする)広告ではなく、
消費者の同意を得てから売り込むようなマーケティングをすべきという概念です。

具体例としてはインバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングそのままというものがいくつも出てきます。
今読むとそれほど目新しい概念ではないものの、初版が1999年と随分昔から提唱されてきた考え方です。
本書を読むとインバウンドマーケティングの概念と非常に近しい考え方に立脚しており、
恐らくはインバウンドマーケティングの概念の基礎となったであろうことがよくわかります。

インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティング等々を学ぶ前に、
この「パーミッションマーケティング」という概念をまずはインストールしておく事をお勧めします。


2.「インバウンドマーケティング」

「パーミッションマーケティング」は消費者の同意を得るという、
いわばエンゲージメントの向上を促すものでしたが、
その延長線上にあるのがこの「インバウンドマーケティング」。

消費者に見つけて貰い、自ら来て貰う(インバウンド)ためのマーケティング概念です。
対してこちらから発信したい情報を発信する事を「アウトバウンド」と呼んでおり、
これは主に従来型の広告などを指します。
この「インバウンド」「アウトバウンド」の概念は、
「パーミッション」と「インタラプション」の様に対概念となっています。

「インバウンドマーケティング」というタイトルの本は2種類あります。
いずれもこの概念を提唱したHubspot(ハブスポット)という、
最近IPO申請中のアメリカの企業の関係者から出ています。

『パーミッションマーケティング』(ブライアン・ハリガン版)
ブライアン氏はYahoo!役員を経てHubspotの創業を行った人物。
アメリカのマーケティング業界で今最も注目されている人です。
HubspotはIPO申請中ですし、そのビジネスモデルの有用性が改めて注目されています。
こちらの書籍は豊富な事例とともに、「インバウンドマーケティング」を広く解説しています。
概念論だけに終始せず、KPIや効果検証のサイクルまで一通り示されているのは大変助かります。

『パーミッションマーケティング』(高広伯彦さん版)
高広さんは博報堂、電通と広告業界を経てGoogleに渡るという華々しいご経歴をお持ちの方です。
その後Hubspotの商材を日本で扱うエージェンシー「株式会社マーケティングエンジン」の代表をされていました。つい最近退任されましたが。
広告業界では知る人ぞ知るという方で、広告業界の重要な論客でありながら、Twitterで炎上したりと、この業界での存在感が凄いお方です。

こちらの書籍はわかりやすく書かれているものの、実例に乏しい所が難点と言えば難点であります。
ただ全体的に「考え方を伝える」事にフォーカスされているようにも取れ、
どちらかというと読者に自分の頭で考えて貰おうとしているのかな…と思われます。

広告業界の末席にいる私としては、インバウンドマーケティングの考え方は世に広まっているように見えるものの、
まだまだ現場では「あのメディアの枠をいくら分買って…」という広告ありきの議論が優先されているように見受けられます。
そうした中で広告業界の重鎮からインバウンドマーケティングなる概念の提案が出る事は意義として非常に大きいのかなと感じますね。


3.「コンテンツマーケティング」

「インバウンドマーケティング」を素直に実践しようとする人がつまずきがちな事として、
コンテンツって具体的に何をつくればいいの?という事がわからず、悩みあぐねてしまうという事。

コンテンツの王道は情報発信ですが、どうしてもわからない人のために、
「コンテンツマーケティング」と題して有効なコンテンツの作り方を学べるのが以下の2冊。
『エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書』
『~編集者のように考えよう~ コンテンツマーケティング27の極意』

2014年のコンテンツマーケティング関連本では間違いなく王道たる2冊であり、非常によくまとまっています。
コンテンツマーケティングに関してはこの2冊があればしばらく他の本は不要なのではと思えます。


4.「フリー戦略」

コンテンツマーケティングと隣接する考え方として、「フリー戦略」というものがあります。
『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』
こちらはかの有名な「ロングテール」概念を提唱したクリスアンダーソンが2009年に著した一冊。

要はよくある「無料で先に何かを提供する」戦略ですが、意外とたくさんの種類があり、歴史も長く、
商品のプライシングにも深く関わる部分故に素養が無ければ足踏みする領域かと思います。

「フリー戦略」が気になる方にとって本書は体系的に「フリー戦略」の概念を学べる良書です。
ここまでしっかりとまとめられたものは他に無いんじゃなかろうか。

無論コンテンツマーケティングも、情報を無料で先に提供する事から始まる訳で、
その意味においてこの『フリー』は大変参考になる一冊です。
また本書を読めば、コンテンツマーケティングって、別に情報発信だけじゃないんだという事にも気づくはず。


さらに、この「フリー戦略」を音楽業界でかなり昔に成功させている、グレイトフルデッドというアーティストの本もあります。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
実はこちらの著者は、『インバウンドマーケティング』のブライアン・ハリガン氏。

この本、相当売れたのにブックオフ等では滅多に見られませんので、ブックオフ等で探すよりも最初から新品を買った方がいいですよ。
分厚いので小さい書店ではあまり置いてないですし。


以上、いかがでしたでしょうか。
この10倍ぐらい挙げたい本があるのですが、また別の機会に紹介します。

また上のamazonのリンクはアフィリリンクではないのでw、
ぜひ気になったものがあれば読んでみてください。